MicrosoftTeamsの既読通知機能を有効にすべきかどうか問題(通知機能の選択)
今までのエントリ
現状のまとめ
対象 | 既読通知機能 | 既読表示タイプ |
---|---|---|
チームチャット | ○有効(有効/無効/ユーザー選択可能から選択可) | 不明 |
プライベートチャット | ○有効(変更不可) | 不明 |
- チームチャット、プライベートチャットとも既読機能が有効になる
- 既読表示タイプは以下の2タイプがあるが、どちらが実装されるかは不明
- タイプ1. 読んだ人数が分かるが、ユーザーは分からない
- タイプ2. 人数も、ユーザーも分かる
機能利用の選択
プライベートチャットは強制的に既読が有効になるため、チームチャットの既読動作について選択できる。選択肢は以下の5択。
既読通知機能 | 既読表示タイプ |
---|---|
有効 | タイプ1. 人数しか分からない |
有効 | タイプ2. 人数も、ユーザーも分かる |
ユーザー選択可能 | タイプ1. 人数しか分からない |
ユーザー選択可能 | タイプ2. 人数も、ユーザーも分かる |
無効 | なし |
ここでまずユーザー選択可能は選んではいけない事を主張したいです。前のエントリで
- 既読機能に対して、違った解釈が発生するのはリスク
- 既読機能の使い方はルールを決めてつかうべき
と書いた通り、チームによって既読がつく/つかないが変わる場合、組織全体として統一された動作にならず、ルールも文化も統一されないからです。
つまり事実上の選択肢は以下3つ。タイプ1かタイプ2かはマイクロソフト社の実装によるので、こちらに選べるのは有効か無効かだけですね。
既読通知機能 | 既読表示タイプ |
---|---|
有効 | タイプ1. 人数しか分からない |
有効 | タイプ2. 人数も、ユーザーも分かる |
無効 | なし |
プライベートチャットと組み合わせるとこんな感じかな?
パターン | プライベートチャットの既読通知機能 | チームチャット既読通知機能 |
---|---|---|
1-1 | ○有効 | ○有効(タイプ1. 人数しか分からない) |
1-2 | ○有効 | ○有効(タイプ2. 人数も、ユーザーも分かる) |
2 | ○有効 | ×無効 |
それぞれについて評価してみます。
パターン1-1. プライベートチャット(○有効) / チームチャット(タイプ1. 人数しか分からない))
この場合ですが、実質パターン2みたいなものじゃない?と思います。なぜなら10人程度のチームで5人が既読をつけても、誰が既読したかが分からないので何も判断できない。そして、一般的にチャットと違ってチームは多数のユーザーが所属するものであり、全体のユーザーと比較してアクティブなユーザーは少ない。
ひとまずプロジェクトに関わりそうな人をチームに追加したが、今アクティブなのはシステム構築メンバーのみ、のようなパターンだと、40人中7人が既読、33人が未読、みたいな状態がありうる。
なので、チームチャットがLINE型で実装された場合は、チームチャットをオンにするメリットはないため、オフにするのがよいと思います。
(もちろん、組織内のユーザーが少なく、チームのユーザー数 = アクティブユーザー数な会社はそうではありませんが)
パターン1-2. プライベートチャット(○有効) / チームチャット(○有効(タイプ2. 人数も、ユーザーも分かる))
一番シンプルな形。ユーザーの混乱は少ないですが、チャットもチャネルも既読が有効になって息苦しいかもしれません。Teamsの動作は統一されますが「Teamsは既読機能が有効になってて嫌だ!」という理由でメールが使われ続けるリスクもあり…。
パターン2. プライベートチャット(○有効) / チームチャット(×無効)
プライベートチャットは既読が有効だが、チームチャットは無効な構成。パターン1-2ほどシンプルではないですが、混乱する設計ではないと考えます。チームチャットの既読機能が無効なため、平穏に過ごせます。外部ユーザーをチームに招待しているパターンなどは、この構成がいいかもしれないですね。
欠点は、プライベートチャットがチームチャットの上位機能になってしまうため「チームチャット使わずに、プライベートチャット使おうぜ!」勢が生まれそうなこと。これを欠点とするかは会社によりますが、仕事に関するコンテンツが個人ではなくチームに保管されるべき、という観点で、原則チームチャットでコミュニケーションするべきだと僕は考えています。
よってこの構成では
- 仕事のコミュニケーションは原則チームチャット
- プライベートチャットの使いどころは在籍確認や電話で不在だった時の伝言メモ程度
- あるいは、仲のいい個人での業務外の会話程度
という文化の形成が大事かな、と思います。
ユースケース
最後に、ありそうなユースケースと利用例を考えました。
ケース1. 相手が自分のメッセージを読んだか、確実に確認したい
この場合はパターン1系の通り、チームチャットで既読機能を有効にするのがよいと思われます。しかしながらチームチャットの既読タイプが「タイプ1. 人数しか分からない」場合、誰が読んだか分からないのでこの目的は達成できないです。そもそも、このようなケースでは個人チャットでメッセージを送れば既読が有効なので、チームチャットの既読機能を有効にするまでもないかもしれません。
ケース2. 業務時間外にTeamsを読んでいる事を知られたくない
例えば、BYODの私用スマホにTeamsが入っていて、ついつい通知が気になって見てしまった、けど返信は会社でしたい場合。これは既読通知をオフにするのがいいですね。
ケース3. 社外にいるメンバーがちゃんと仕事をしているか確認したい
これをTeamsの既読機能で管理するのはナンセンスでしょう。既読をつけるだけならスマホからでも出来るし、逆に真剣に仕事する時はTeamsを見ずに集中するので、全く当てにならないと思います。
ケース4. メールよりも気軽なコミュニケーションツールとしてTeamsを使いたい
“気軽"の定義にもよりますが、既読機能が"気軽さ"の足かせになるなら無効にするべきでしょう。例えばメールに慣れた年配の方にTeamsを使ってもらう時に「既読通知があるから、返信するための時間を確保してからじゃないとメッセージを読まない」と敬遠されるのはもったいない事です。
ケース5. 既読だけついて返信がなければ"了解した"という文化を形成したい
なんか一見良さそうですが、メッセージの送り手が気を付けないと誤解が生まれそうです。例えば
6月10日は午前中外出します
のような単純な内容ならいいですが、
来週のミーティングの資料を××に保管したので、みなさん必要に応じて追記してください
のようなアクション内容があいまいなメッセージや
昨日購入した××社の製品ですが、かなり高性能で市場に受け入れられそうです。つきましては、どこか時間のある場所で説明させていただいたのち、××社にフィードバックを行いつつ、拡販を進めていこうと検討しております。
のような多様な内容が含まれるメッセージに対して、既読だけで理解の有無をジャッジするのは無理です。この場合、メッセージの送り手が、読み手に期待するアクションを指定する、例えば「問題ない場合は"いいね"をお願いします」や「賛同いただける場合はコメントで候補日時をください」などとする必要があります。
やはりコミュニケーション能力が高い、あるいはチャットコミュニケーションに慣れているメンバーが多くないと、既読機能を使いこなすのは難しいのでは?と思いました。
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