CEATEC 2019 感想
行ってきました。家電総合展示会な時に行った依頼だから15年ぶりくらい?かな。
展示ブース
テーマがSociety 5.0、IoTとかAI、5G、モビリティとかそこらへんのバズワードは全部入り。あ、ブロックチェーンの展示は少なかったです。物理・センサー・電力・工場・材料など、正直、普段なじみのない分野は「すごいなぁ~」と小学生並みの感想で見るしかなかったです。MR・AR系とAI系は多少理解があったので面白く聞けました。消費者として注目なのは5Gですが、正直まだ活用のイメージがみえづらいです。テレビがフルハイビジョン→4Kとなっても面白さはコンテンツで決まるように、ただ回線が早くなってレイテンシが短くなっても、それ相応のアイディアがビジネスにならないとインパクトはない…かな?う~ん俺のアンテナが低いのか…。
その他ブース展示はCEATEC ニュース | CEATEC 2019 ( シーテック 公式サイト )を見れば雰囲気が分かります。
個人的に気になったブース…は別エントリで書きます(このエントリが長くなったので)
カンファレンス
折角なのでカンファレンスも参加しました。どうでもいいけど、エンジニア系のイベントに比べてスーツ・ネクタイ率が異常なほど多かったです。CEATEC 2019 開催概要 | CEATEC 2019 公式サイトの主催企業を見ると国の機関と国に近い産業界 = 昔ながらのメーカーさんが多く、カンファレンスのテーマもそういう人たちを想定したものが多かったです。
「攻めのIT活用」に向けた提言~DX時代のITサービス提供のあり方、テレワーク・デイズにみる働き方改革の実践~
資料はこちら。
CEATEC2019 コンファレンス(ソリューションサービス事業委員会) 資料の公開|JEITA
JEITA – 情報・産業システム部会 – ソリューションサービス事業委員会が主催のセッションで、その配下の委員会(ワーキンググループ相当)の3人の方がそれぞれのテーマに沿って講演されました。
テーマ1.「 攻めの IT 活用」に向けた 提言
ITサービス調達政策専門委員会の方のお話し。この委員会の役割は
- デジタル・ガバメント実行計画における情報システム調達に関し、制度・ガイドライン等への業界意見の反映
- ソフトウェア開発モデル契約及び解説(2020年版)の周知
2020年の民法改正にあたってソフトウェア開発モデル契約及び解説の2020年版を出した事が大きな話。民法で担保期間が「引き渡しから1年」→「契約不適合を知った時から1年」に変更されることが大きな話題となっていますが、JEITAの契約書テンプレは「引き渡しから1年」を維持する方針としたようです。
理由はベンダー側の見積もりにリスク費を積むしかなく、ユーザー企業とITベンダー双方が不幸になる契約だから、とのこと。私はよくわかっていませんが、民法が改正されても個別の契約はそれに従わなくてもいいのか?ただ、国と近い機関がこういった指針を出してくれるのは助かります。
あとは、IoTのおかげで製造系のソリューション売り上げが伸びている、との事でした。
テーマ2.「俊敏性を要求されるIT サービス開発・運用」の進め方と日・米先進企業の取り組み事例
ITサービスビジネス環境整備専門委員会の方のお話。
結論としてはデジタルフィードバックループの整備やテスト駆動型開発などでスピードアップ&品質アップ、というエンジニア視点では「知ってた」話ではありますが、これを日米の企業にインタビューしてこういった場で発表している事が価値だな、と思いました。
テーマ3.「 働き方改革の実践と今後の 課題 」
働き方改革専門委員会より、テレワークデイズ2019の報告。テレワークは進んでいるも、ITベンダーのSE職はバックオフィスよりもテレワーク率が低い。なぜならそれは、客先常駐で縛られているSEが多いからだ!!!!という提言。いやぁこういう事を言ってくれると、大変心強いですねw
最後のまとめとして、ユーザー企業とIT企業が相互理解して働きやすい環境を作っていきましょう、で締めてました。
“働き方改革"は"生き方改革"~IT活用による幸せな働き方の実現に向けて~
資料はこちら。
CEATEC2019 コンファレンス(ソフトウェア事業戦略専門委員会) 資料の公開|JEITA
下町ロケットのアイスブレイクから始まり、ブラック企業という指摘もあるけど、夢にあふれてみんな楽しそうなのはいいよね、ホワイト企業でそれを実現すれば一番いいじゃん!と。時短だけの働き方改革は終わった。これからは幸せに働く事をゴールに設定すべき、との提言です。まぁ勤務時間長くても、その人が楽しければいいですからね。他の人にそれを強要したり、長時間労働しないと評価されなかったりするのは問題ですが。
実際、楽しく働けている環境の方が労働生産性は高いらしい。当然、離職率も少ない。
これを実現するために委員会が注目しているのがHRTech。けどツールを入れるだけじゃだめでツール + 社内の制度改革や意識改革が必要とのこと。
このセッションは非常に示唆に富むというか、働き方改革の次が見えたので考えさせられました。ITベンダーとしてはツール導入してなんぼ、というスタンスでしたが、ツールを導入した会社が変わる事を強く意識しないといけないと思いました。
全体的に「国のくせにちゃんと考えてるじゃん」って感じでした(上から目線ですまん)。さすがに先進的なIT企業からは遅れますが、1年~2年以内にしっかりキャッチアップしてるのな。日本のレガシーな大企業に広がるのはその後としても、国から近い企業はしっかり指針を守るし。となると、ちょっと前に出ていた「日本がダメなのは中小企業が多すぎるから」みたいな主張に現実味を感じてしまう…。
超スマート社会で活躍できる人材になるために-情報処理学会が提供するセミナーと高度IT人材資格CITP-
資格制度の紹介セッションでした。
まぁ…そんなに面白くなかったです。IPAの高度資格というのがありまして、そのレベル4を持っている人はCITPを受験できる。PMPとかと同じで更新制度があるので、世界的に認められる資格ですよ、とのこと。
面白かったのは、更新制度の内容が「引き続きプロとして活動してますか?」を問う内容なのですが、業務継続はもちろん、こういった委員会に参加したり、自分が講演者になって後進を指導したりが評価されるようです。草の根でやってるOffice 365 勉強会なんかで登壇してもカウントされるのかな、というのは非常に気になりましたが…。眼中にあるのかなぁ…。
こんな感じでCITPの人達が情報交換しているので、こういった所に参加すればよいようです↓
CITP Community | 情報処理学会 CITPホルダが運営するコミュニティサイトです
NECさんとか日立さんにいれば自然と情報は行ってきそうですが、弊社なんて国とはかけ離れた商売しているので全く肌感ないですしこの資格取っても会社で評価されないですな。渋谷や六本木のITベンチャーやGoogle、Amazonも同じ感じかも。この辺両立しているのは、サイボウズさんやマイクロソフトさんのイメージが強いですね~
デザイン思考とアジャイル開発による超高速な新製品開発事例
Star株式会社さんのセッション。セッションタイトルとは裏腹に45分くらいが自社事例のアピールで残り15分がTipsでした。Star株式会社は2008年に欧州で発祥した企業で、2019年3月から日本拠点でビジネスをスタートしたので情報が少ない。
戦略・デザイン・開発・マーケティングまでワンストップに企業・組織の課題を解決“デザイン思考”主導型テクノロジーファーム「Star」がサービスを開始。|Star株式会社のプレスリリース
一言でまとめると、デザイン寄りのコンサルティングファームって感じでしょうか。ユーザー体験とかマーケティングとかのプロで、お客様のプロトタイプ開発を正しい方向に高速にドリブンする、みたいな。募集要項見てもそんな感じかな…。
[JP in Eng] Solutions Architect – Star
プロダクトはWebだけではなく車のダッシュボードやフィットネスのスマホアプリまでなんでもやる。エンドユーザー体験を強化するフレームワークを強みとして持っているので業界・ツールは問わない、という感じでしょうか。
高速開発のTips集は以下の資料の最後に書いてあります。
CEATEC 2019 におけるStar株式会社のご紹介資料ダウンロードサイト
ただ、内容に目新しさはなかったです。思うに、有名テック企業だと普通に出来ているような事を、非テック系企業に持ち込んで会社の仕組みを変えつつドライブすることが価値なのかな?まぁそれをレガシーな会社で実現する事が難しいんだろうけど…。
成功事例を見ても、他の会社ではできなくて、Star株式会社だと出きる、ってポイントが分かりづらかったです。Star株式会社は有能な人しか採用しない、とかなら納得だけどw
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません