Office 365 (Exchange Online)の新しい予定表共有について
2017年9月くらいからひそかにOutlook for iOSで他人の予定が見れてざわざわしたのですが、MSのページを見つけたので読んでみます。
予定表共有の権限種別について
簡単に言うと、今までの"複雑な"予定表権限が、"シンプルな"ものに置き換わり、このシンプルな権限で共有をした場合、Outlook on the webで予定表の共有をした情報がOutlook for iOSなどに同期されるようです。
- 現在PC版Outlookで選択できる予定表閲覧権限は"レガシーであり複雑"な共有方法である
- 確かに、従来Outlookから選択できる予定表権限は"参照者"やら"寄稿者"やらパッと見意味が分からないものが多かった。
- Outlook for iOSやOutlook on the webで選択できる予定表閲覧権限をシンプルな共有方法としている(記事中では"Simplified permissions"と呼ばれている)
- Outlook on the webからsharing invitation送ろうとするとシンプルな権限しか表示されないけど、今後はこれがデフォルトとなるようです。
これ以降、前者を"旧権限"、後者を"新権限"と呼ぶ。
PC版Outlookでは2017年4QのUpdateで新権限による予定表共有が出来るようになり、新権限による予定表共有を行う事で、PC版Outlookで閲覧した他人の予定表をOutlook for iOS,Outlook on the Webで閲覧できるようになる…ようです。
なお、既に旧権限で予定表を共有しているユーザーを新権限で上書きする場合、以下の方法が必要となる
- 予定表オーナーに再度予定表共有インビテーションを出してもらい、OKボタンをクリックする
- (過去に予定表共有インビテーションをもらっている場合)そのメールのOKボタンをOutlook for iOSからクリックする。この時、PC版Outlookからクリックすると無効なので注意
シンプルに、削除→再度共有依頼がよいのではないかと。
予定表共有の権限種別について:疑問
新権限での共有はユーザー個人を対象にしか出来ないのか?
- 旧権限による予定表共有は、"既定"の権限を"参照者"などにして、自分が許可せずとも他人が勝手に自分の予定を見れる仕組みであった。新権限による予定表共有はsharing invitationを飛ばさなければならず、いちいち自分が許可する必要があるし、他人の予定を見る時にも許可を得る必要がある。よってユーザー利便性が低下する
- これを防ぐためには、powershellか何かで事前に新権限による共有権限を管理者側でセットすれば回避できるのか検討する必要がある。例えば、A,B,C,D,Eが同じ部署なら、AにはB,C,D,Eへの予定表閲覧権限、BにはA,C,D,Eの…といった具合
- ただ、システム的に上記が可能だとしても運用はとても回らない
- よって、やはり"既定"やセキュリティグループ単位で"新権限"の付与を管理者側でしたい
- “旧権限"は必要以上に細かい権限設定が出来きるため混乱の元であり、大半の要件は新権限で満たせると思いますが、細かい権限設定を利用して運用している現場があれば検討をする必要がある。
新しい予定表同期ロジック(instant syncing)
権限種別もリセットされるらしいが、予定表同期ロジックも変更になる様子。現状、Outlook on the web,Outlook for iOSで使用でき、PC版Outlookは2018年夏にリリース予定。
※ 分かりやすいよう、これ以降は旧方式・新方式と呼びます。
詳しくは"Technical details of the shared calendar improvements"以降を読めばわかるが、旧方式に比べて新方式の方がよくなっているよ…と主張している。が、エンジニア的には挙動が変わるから要チェック、くらいの意識がよい。例えば、新方式の特徴として、共有相手のカレンダー情報をローカルに保有するため、データへのアクセスが早くなる、などいろいろあるが、ネットワーク負荷が増えないか?共有相手のカレンダーに添付ファイルがめちゃくちゃついてたらどうなるのか?など気になります。
共有カレンダーのリマインダーの挙動も変わる様子。理由として、旧方式では共有カレンダーに毎回アクセスしていたが、新方式だとローカルコピーを持つようになるためと書いています。すんません、共有カレンダーあんまり使ってないので感覚が分かりませんが、使っているところは大きな変更になるのかな?
一番気になる所、というかよくわからないはPC版Outlookの対応が2018年夏ということ。
“Summary of experiences across clients"に今後のリリース予定が書かれています。
つまり"PC版Outlookで共有した予定をOutlook for iOSでも閲覧できるようになる"というのは、このinstant syncingがリリースされてから?それとも、instant syncingはあくまで同期ロジックの話で、カレンダー共有については2017年4QのUpdateで使えるようになる?
とにかく今は2017年4QのPC版Outlookへの実装待ちであり、その時いろいろ確認するしかなさそう。
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