manus.aiのDeepResearch機能を試してみた
Contents
マイナーな市長選をAIでリサーチしてみた
manus.aiのDeepResearch機能を使い、とある日本の市の市長選挙について調べてみた。対象は全国的に知名度が低く、公式情報も限られている自治体。公式文書や発表をまとめて、どこまで有用なレポートが作れるかを検証した。
結果として、manus.aiは公式な情報を的確に集約し、分かりやすくまとめてくれた。Webサイトのスクレイピングも適切で、信頼性の高いデータを中心にレポートを構成する印象がある。
一方で、SNS上で話題になっている情報、とくにこの市長選挙で話題になっている自民党の分裂やその経緯など、ネット上で盛り上がっている“怪文章”はレポートに反映されなかった。SNSの口コミや噂話は、AIのレポートには含まれない傾向が強い。
DeepResearch系AIサービスの比較
参考までに、他のDeepResearch系AIサービスも調査した。主な特徴をまとめる。
サービス名 | 開発元 | 主な特徴 | コスト | 対応言語 | 出力形式 |
---|---|---|---|---|---|
ChatGPT Deep Research | OpenAI | 数百サイト分析、詳細レポート、明確な引用 | Pro ($20/月) | 多言語 | テキスト |
Manus | Monica | 自律タスク、マルチモーダル、リアルタイム操作 | 約$2/タスク | 英語中心 | テキスト・画像・コード |
Google Gemini Deep Research | 大規模文脈、Google連携 | Advanced ($20/月) | 英語 | Google Doc等 | |
Perplexity Deep Research | Perplexity | 高速レポート、無料版あり | 無料/Pro ($20/月) | 多言語 | PDF等 |
Genspark | Genspark | 複数AI組み合わせ、マインドマップ | 有料 | 多言語 | PDF等 |
Hugging Face Open Deep Research | Hugging Face | オープンソース、カスタマイズ性 | 無料 | 多言語 | カスタム |
DeepSeek R1 | DeepSeek | 思考プロセス可視化、中国語強み | 非公開 | 中国語・英語 | テキスト |
各サービスの用途や適性も異なる。学術研究やビジネス分析、プログラミング支援など、目的に応じて選択肢が広がっている。
DeepResearchツールの長所と短所
- ChatGPT Deep Researchは高精度な分析と詳細なレポートが強み。ただしコストや利用制限がネックになる。
- Manusは自律性やマルチモーダル対応が魅力だが、システムの安定性や招待制など課題もある。
- Google Gemini Deep ResearchはGoogleの強みを活かすが、英語限定。
- Perplexityは無料で使いやすいが、分野によって精度に差が出る。
- Gensparkは複数AIの組み合わせで偏りを減らすが、情報量は限定的。
- Hugging Faceはオープンソースで自由度が高いが、導入の手間や精度面で商用に劣る場合もある。
- DeepSeek R1は思考の可視化や中国語対応が特徴だが、精度や情報量は他に劣る。
AIリサーチの限界と気づき
DeepResearch系ツールの威力は確かに大きい。公式情報や信頼性の高いデータを効率よくまとめてくれる。ただ、SNSの口コミや噂話、現場の“空気感”のような情報はほとんど無視される。
実際、twitterのDeepResearchツール「Grok」でも、SNS上の怪文章や盛り上がりはレポートに反映されなかった。概要を知るには十分だが、「実際のところ」を知るには自分で追加調査や考察が必要だと感じる。記者がAIのレポートだけで記事を書くのは危険だと改めて思った。
情報を使いこなすために
結局、AIが集めた情報をどう読み解くかは自分次第。与えられたデータに対して「本当かな?」と疑う力、そして深く掘り下げる質問力が問われる。AIのレポートを鵜呑みにせず、自分の頭で考える姿勢が大切だと実感した。
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません