「スイッチ 〜「変われない」を変える方法〜」読了
いい本だったけど、英語訳本あるあるの例えがまどろっこしい文章が多くて読むのに時間がかかりました。
Contents
変化のための3つのポイント
1. 理性
本の中では"象使い"と呼んでいる。後述の"象"と合わせてこのメタファーはイメージがつきやすいが、記憶としては"理性"と読み替えた方が定着する。
2. 感情
本の中では"象"と呼んでいる。メタファーとして、象使いが指示しても象が動かないことがあるよね、ということ。頭ではやらなきゃと思っているけどやる気が出ない、なんてのはよくある話。
3. 環境
本では"道筋"と呼んでいる。このメタファーは微妙で、個人的には"環境"と言ってくれた方がしっくり来た。
上記3つのうち"環境"については一般的によく使われている方法だと思う。例えばダイエットであれば体重計を乗りやすいところに乗せておくとか、集中するためにスマホの通知を切るとかインターネットを切断して執筆活動をするとか。
よってここでは1. 理性と2. 感情についてまとめていく。3. 環境もあとでちょっとだけ。
1. 理性のコントロール
何をすればいいか分かっておらず、迷いがある状態がこれである。例えば英語学習で「まずは英文法から!」という人もいれば「生きた英語をリスニングしろ!」という人もあり、何から取り掛かったらいいか分からない時はここ。逆にダイエットしようとして「1日1時間運動する」事がよいとわかっている人は、次のステップである「感情のコントロール」に進めばよい。
上手くいった例を見つける
ブライトスポット。例えば伸びる部下・伸びない部下がいた場合「どうして伸びないのだろう?」と思うより「伸びた部下はどんなんだったか?」と考えた方が、解決のカギとなる可能性がある。その他、
- 夫婦仲が悪かった時 → なぜ悪くなったかではなく、どういう時に良かったか
- 仕事でうまく行かない時 → なぜうまくいかないかではなく、どういう時は調子が良かったか
- SNS依存症から抜け出せないとき → どうすれば抜け出せるかではなく、SNSを見なくて済んでいるときはどうだったか?
判断を不要にする
RPGのMPをイメージすればよいが、理性をコントロールするにはMPを使う。MPが少なくなると理性のコントロールが出来なくなるし、何をするにも能率・生産性が悪くなる。ということで、できるだけ判断を不要にすることが求められる。本書では「明確でシンプルな行動指針を決めること」と書いてある。
例えば選択肢をシンプルにするとか、そもそも選択をさせない、例えばダイエットのためのルーティーンを必ずするようにするとか。「3. 環境」の整備も、この要素に似ているかな。
2. 感情のコントロール
何をすればいいか分かっているが、やりたくない時はこちら。「1日1時間運動する」事が良いことだと分かっていても出来ないのは好例である。
感情に訴えかける
ライザップのCMが顕著だが、Before/Afterを見せてAfterになりたい!と感情を揺さぶる。僕の場合、スポーツ選手を見ると「あんな体になりたい」と思え、トレーニングに熱が入る。そういった要素は結構重要。
感情には2種類あり…
- ネガティブ感情:ダイエットしないとブクブクになって病気になりますよ
- ポジティブ感情:ダイエットすればあのスポーツ選手みたいにかっこよくなれますよ
どちらを使うかはケースバイケース。
変化を細かくする
ゲーミフィケーション的なやつ。ゲーミフィケーションで説明つくので割愛。
アイデンティティの定義
これが一番前向きな解決策。ポジティブ感情と似ているかな。
エコや自然保護を促進する際に、レジ袋1枚節約したらゴミがX%少なくなる、とか定量的に表すのではなく、「レジ袋も節約するくらい、環境の事を考えている素晴らしい私」のイメージを促進する方が良い。
これは選挙でも同じかな。冷静に考えれば1票の価値というのは皆無だが「国政に興味がある有権者」になるべく選挙に行く、というイメージを肯定してやるのが良い。そういった意味だと、ネットでやり取りされる
- 1票の価値は意味ない
- いや、意味がある。なぜなら~
のような議論は、1票の価値がどうか?という土俵に乗ってしまっているので、不利な気がしますね。
それよりは「大人になって選挙の1つも行かないなんてカッコ悪すぎ」とかを啓蒙できた方が良いか?
3. 環境について
大前研一は言いました。
何か変わりたいとき。
- 1番目は時間配分を考える。
- 2番目は住む場所を変える。
- 3番目は付き合う人を変える。
自分が出来ないのは意志力などではなく環境のせい、と言うことが出来る。また、他人を指導する時に、その人が出来なかった場合にその人のやる気ではなく環境のせいかも?と疑うことが出来る。(つまり、個人攻撃しなくて済むし、環境を変えることでパフォーマンスをUPさせることが狙える。)
ポイントを読み違えると変化できない
自分がやりたいことがどのポイントで止まっているのかを見極めないと、適切に変化を促進できない。
例えば。仕事で部下に「もっと成長してほしい」と言うだけでは無意味。それは部下もわかっている。成長にムラがあるなら環境がそうさせてるのかも? スノボでヘルメットを被ろう、と啓もうする話。ヘルメットを被った方が安全だというのは理解しているが、何らかの理由でやりたくないなら感情に訴えかける。
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