グロービス クリティカル・シンキング講座 Day2
グロービス クリティカルシンキング Day2終わったのでメモ。
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Contents
Day2講義の内容の振り返り
Day1では"イシューを特定する重要さ"について説明があり、イシューに対して根拠をもって主張する事を学んだ。
Day2では"イシューを特定する重要さ"に加えて、答えを出すための必要な論点の枠組みが重要であるという事と、そもそもイシューを設定するために与えられた事象・事実を適切な切り口をもって分解し、適切なイシューを設定するための準備をする必要があることを学んだ。
"事象の分解"について
まず、クリティカルシンキングの世界では"これはシンキングではない"という事になっている。理由は、事象というのが数値データで与えられるとすると、定性的に"シンキング"する前に、定量的に分解可能な要素を解決しておくのは当然の事であるため。
といってもこれに全く頭を使わない、というのではない。
- 与えられたデータをよく読み、情報を吸い上げる
- 情報をいろんな切り口で眺めて「解決可能なイシューが設定できそうか?」と考える
この2つの思考が必要である。
枠組みの設定について
分解した事情に対してイシューを設定し、対応する論点の枠組みを設定する。後述の"感想"で詳しく記載するが、この"枠組み"の設定に対して既存のフレームワークを利用するのが、抜け漏れなく思考するために重要だと実感した。
初期仮説について
振り返ってみると、仮説の立て方のコツについては、あまり時間を割いて講義がされなかった気がする。枠組みの設定が適切であれば、質のよい仮説も立つということだろうか?逆に、仮説があまり思い浮かばなければ、枠組みを変える事を検討してもいいかもしれない。
感想
枠組み設定には既存のフレームワークを使うべき
今回の講義で最も印象に残ったのがここ。3Cや4Pといった言葉は聞いたことがあったが、正直申し上げて駆け出しコンサルタントがひとまず使ってるだけの理論と思っていたが、今回の講義で完全に印象が変わった。
反省を込めて「イシューに応えるために必要な枠組みを設定する際に、既存のフレームワークを優先して検討すべである」というイシューに対して「賛成」で主張します。
「イシューに応えるために必要な枠組みを設定する際に、既存のフレームワークを優先して検討すべきである」について、賛成します。
■1. 既存のフレームワークを利用する方が、早く確実にフレームを選択できる
既存のフレームワークは、世界中のさまざまな人が多様な場面で利用し、有用性・MECE性などが検証された状態で長期に渡って検証されたものである。よって、既存フレームワークを目の前のイシューに適用したとしても、使用に耐えうると推測できる。
一方、独自フレームワークは、今この場で初めて出来上がったフレームワークであり、既存フレームワークで検討済みの有用性、MECE性を自分自身で検証してから利用する必要がある。
よって、フレームワークを決めるてから、利用し始めるまでのスピードの面で、既存フレームワークに有意性がある。
■2. 既存フレームワークでも、独自フレームワークと同等のイシューフィットを実現できる。
「独自フレームワークはイシュー専用に考えたフレームワークであり、既存なフレームワークを利用するよりも適切にイシューを検討できる」との主張に対して、以下の2つの点で否定する。
□ポイント1. 独自フレームワークは、既存フレームワークに内包されることが多い。
既存フレームワークは多様な場面で利用できるものだけが残っているため、自身が独自に考えたと思っているフレームワークでも、それは過去に誰かが検討済みであり、仮にそれが有用であれば既存フレームワークに吸収されている。
よって、有用な独自フレームワークなら、既に既存フレームワークに内包されている可能性が高い。逆に既存フレームワークに内包されないような独自フレームワークを思いついたなら、それは不適切なフレームであるため、既存フレームワークに内包されなかった可能性が高い=使うべきではないと考えられる
□ポイント2. 既存フレームワークをイシューに合わせて変化させることで、独自フレームワーク並みのイシューフィットを実現できる。
そもそも、既存フレームワークは"テンプレート"であり、それをベースにイシューにフィットした形にフレームワークを変化させることが前提となっている。独自フレームワーク派はこれを知らずに「独自フレームワークの方がイシューフィット性が高い」と主張するが、既存フレームワークでも同等のイシューフィット性を実現できる。
思うに、既存フレームワークと言うのは"This is a pen"や"I am Mike."のような例文である。そのままでは現実世界では使えないが、基本文法を知らないことには応用も出来ない。
「型を会得した人間が、自分なりに変化させるのは型破りだが、そうでなければ形無しである」と聞いたことがあり、基本フレームワークを知らずに独自フレームワークで頑張るのは、まさにこれだと反省した。
私の特徴「事象を分解するのは得意」とその弊害
職業柄、データの分析の経験が長く、比較的得意かなと思う。例えばシステムの動作が遅い場合、サーバーの動作データを集めて"朝、社員がシステムを使い出す時にメモリが足りなくなっているため"と分析している。ただ、システムの場合、問題を特定すれば対応(この場合、メモリを増やす)が決まる場合が多く、その先のクリティカルシンキングは不要であった。また、データの分析にも経験が必要であるため、それをやり切った状態で"考え切った"状態になっていた。
クリティカルシンキングとしてはこれは問題であるし、実生活でも弊害を感じる事があった。
例えば"よい家を借りたい"というイシューの場合、駅からの距離・部屋の広さ・家賃などのスペックをマトリックスにまとめるのは得意である。ただ、それらを並べたところで借りたい家は決められず「ここからどうやって考えよう…」となることがあった。
この場合だと、枠組みとして「平日に会社に出社する時の利便性」「休日に家でゆっくりしやすさ」「どこかに出かけるときの」 など、定性的な観点で枠組みを設定して検討し、初めて借りたい家が決定できる。
得意なだけにデータ分析を行って満足してしまう傾向があるため、気をつけたいと思う。
余談:講義中で出題された「2003年→2012年のビール選択率の減少率」について
私はこれを10%と誤答した。以下のような考え方で進めたが、最後のステップ3が足りなかった。
ステップ1. ビール選択率の計算式を定義
(年間のビール消費量 / 1人当たりのビール消費量) / 飲酒可能人口
ステップ2. 2003年、2012年それぞれのビール選択率を算出
- 2003年
(3950000000 / 89.7) / 102720000 = 42.87%
- 2012年
(2790000000 / 82.2) / 104920000 = 32.35%
ステップ3. 2003年を100として、2012年の割合を計算
42.87 : 32.35 = 100 : x
x = 100 / 42.87 * 32.35 ≒ 75.46
回答:24.54%
講義中のアプローチとは違うが、これでも正解にたどり着けた(ステップ3を忘れなければ)
事象やイシューを具体化すると、枠組みも具体化され仮説も的を得たものになる
これについては、抽象度⇔具現度の関係性が連想でき、大いに実感できた。この講義とは別の場所で、サービス商品開発ワークショップを受講した事があったが、その際に知った"ジョブ理論"でも同じような内容が説明されていたためである。
簡単に説明すると、顧客の困りごとを細かく定義すれば、最適な商品サービスが開発できる、という理論である。例えば、顧客の困りごとを「売上を上げたい」と定義すると、どんなサービス商品を開発してよいか分からないが「顧客の予算取りのタイミングで適切に営業をかけたい」だと「顧客管理システム」となり、具体的になる。ざっくり過ぎる説明ですが…。
この考えを図にすると、事象やイシューが絞り込めないと枠組みが大きくなり検討すべき仮説も多数&大まかなものになる。事象を絞り込み、ピンポイントなイシューを設定すると、枠組みが狭まり仮説が具体化され、検証もしやすくなる。
今後の課題
私の課題としては「イシューに対する枠組み」を素早く、正しく選択できるよう、練習を繰り返す事である。何せ、標準的なフレームワークを使い慣れていないため、フレームワークを使うにしてもまず意味から調べないといけない状態。これを、フレームワークの名前を聞いただけで、0.1秒くらいで頭の中でイメージできるようにしていきたい。次に、フレームワークの大小や複数のフレームワーク間の関係についても、イメージできるようにしたい。
手始めに、授業中で紹介された書籍「基本フレームワーク50」を買ったので、読み進めていきます。
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