グロービス クリティカル・シンキング講座 day1
Day1講座を受けてきたのでメモ。
Contents
講義の全体像
全部で6日間あり、以下のような内容となる。
- Day1:クリティカルシンキングの全体像
- Day2~Day4:イシューの特定、解決方法
- Day5~Day6:他人への伝え方
クリティカルシンキングはイシューの特定が何より重要、ということで、これに3日間かけていると思われる。
Day1講座の内容
ここでは、クリティカルシンキングを支える"パーツ"について勉強した印象。
イシューの設定
オフィス街で食堂を経営する経営者の、ランチタイムの課題。真のイシューとは"料理を早く出す"ことではなく"顧客満足度の改善"であることより、イシューの設定をミスすると世界が狭くなり視野の狭い解決策しか出せないこと、逆にイシューと正しく設定すると広い視野で全ての解決策を検討する事が出来る事を学ぶ。
注意したいのは、視野が広けりゃ広い方がいい、ってのではない。広すぎると本質とは関係ない解決方も検討しちゃう。 適度なイシュー設定で、適切な検討が可能となる。
※ ここらへんは"ジョブ理論"の顧客のジョブ定義の話と似ていたので、大いに実感した。なお、実感できても実践できないのが辛み。
違和感ばりばり推薦状の話
次は部下を海外赴任に推薦すべく上司が書いたと思われる推薦状にツッコミを入れていくワーク。この推薦状がめちゃくちゃしょぼくて「子供かよ」の一言で終わらせたいところであるが、これに対して論理的にツッコミを入れていくというワークでした。部下の文章を「子供かよ」で突き返せないのが、上司の辛い所です。
ここでは「違和感」を具現化するようなワードを知っておく事で、指摘が楽になると思いました。
- 例が不適切
- 関係のない例(その例の中の因果関係は正しい)を提示し、納得させようとする
- 「昔はそうだった」「他社はこうやってる」みたいなのもこれと同類
- イシューに対して論じていない
- 英語力、ビジネス力が必要なポジションなのに「最後まであきらめない人材です」と言っちゃう
- 「最後まであきらめない人材」が悪い事ではないが、マラソン大会の公募でアピールする事では
- 英語力、ビジネス力が必要なポジションなのに「最後まであきらめない人材です」と言っちゃう
- 根拠が薄い
- 「海外に興味があります!→なぜ?→海外ドラマを見ている→それはたくさんの人が見てるよね」と根拠が薄い。イシューに対して「海外に興味があるから」と当てるのは間違っていないのでもう一歩。
- 「海外ドラマをきっかけに現地に定期的に旅行に行き、現地の外国人と会話をする中でビジネスに興味を持った」とかだと、希少性が高いし納得感がある
- 「海外に興味があります!→なぜ?→海外ドラマを見ている→それはたくさんの人が見てるよね」と根拠が薄い。イシューに対して「海外に興味があるから」と当てるのは間違っていないのでもう一歩。
- 反論への備え
- これは文章テクニック的な面もあると思うが、ネガティブな話題を組み込む時は、かならずそれをサポートするような表現をセットで入れる事。
これで明日から部下の文章をびしばし指摘できますね!!!!!!
演習課題チェック
ここで、それぞれの宿題を「イシューに対する主張が出来ているか」の観点で確認。このセクションがDay1のまとめになるのだが…。私の中でこれは(比較的)出来てる部分と、今後の改善点を以下にまとめました。
(比較的)出来ていること
意識を割かなくても出来ている事が多いが、意識する事でさらなるクオリティアップも狙える。
- 反論への備え(ネガティブワードセンサー)
- 仕事柄、システムのトラブル報告書を多数書いてきたので「障害」「原因」「再発」「エラー」のようなネガティブワードを報告書に組み込む必要があり、それに対して必ずフォローを入れないといけない。例えば「エラーは発生したけど軽微です。なぜなら~」のような。こういったセンサーは敏感であるため、少しでもネガティブに感じられる言葉には反応できると思った。
- ビジネスシーンだと、システムトラブルと違って自分の視点外から反論を受ける可能性があるので、報告書の読み手をイメージして「この人ならどういう反論をするか」を考える必要はある。
- メリット・デメリット・代替案
- システム選定やソリューション提案では、複数の候補を比較検討し、メリットデメリットを提示する必要があるため、これはクセづいている。
- ただし、代替案が視野の狭い中での案になっているリスクはあるので、ここら辺はイシューをしっかり設定し、適切な視野で見ていく必要がある
- 適切な例の提示
- 複数の候補を比較検討する事には慣れているので、事例も同じレイヤーの話を持ち出すことが多く、外れる事は少ない。
- 逆に言うと、一見外しているように見えるが適切な例である、という拾い方は出来ていない。
- これは発想力を伸ばすような話?
改善点
今後、意識しないと改善しなさそうな点。
- イシューに対する主張の強さが足りない
- ドライに複数候補を比較検討し、A案:50点 B案:60点、よってB案です、という手法を取りがちで、案がイシューを解決しているかではなく、単純な比較検討になってしまっている。そうではなく、B案押しで言うなら、イシューを定めて「B案がいいです!なぜならメリット1、メリット2、メリット3があり、それらは根拠ABC,DEF,GHIで補強できるからです!」と多段的、多面的に主張できる強さがないと思いました。
- いわゆるパッション
- システム設計では「60点で行きましょう」で回りも納得していたので、これは悪いクセがついている
- ドライに複数候補を比較検討し、A案:50点 B案:60点、よってB案です、という手法を取りがちで、案がイシューを解決しているかではなく、単純な比較検討になってしまっている。そうではなく、B案押しで言うなら、イシューを定めて「B案がいいです!なぜならメリット1、メリット2、メリット3があり、それらは根拠ABC,DEF,GHIで補強できるからです!」と多段的、多面的に主張できる強さがないと思いました。
演繹法・帰納法の話
5月のブログで書いた図を再掲。
事象を一般的なルールに当てはめて結論を確定させるのが演繹法。
複数の事象から推測して、ルールまたは結論を推測させるのが帰納法。
帰納法は推測が入るので演繹法より精度が低いと思いきや、演繹法もルールの当てはめミスや事象の認識ミスがあった場合、必ずしも導かれる結論が正しいわけではない。
帰納法で推測したルールを、演繹法に使うなどが一般的。また結果的な結論からさかのぼってルールを検証する事も。
上記が5月の理解。
講師の方が言うには、この手法を目新しいものとして覚えるのではなく、演繹法・機能法で分けて考える事ができるようになるのが重要、ということです。
ちょっとこの話はどう実践に生かしてよいのか分からなかったが…。普段から無意識的に演繹法・帰納法をミックスして考えてるから、それを「これは演繹的な考え」「これは帰納的な考え」と意識出来る事で、例えば「あ、これ演繹的な考えに偏ってるから、帰納的な方向でも検討してみようかな?」と思える事かな?
正直、演繹法と帰納法については「どっちが演繹だっけ?」って忘れちゃうレベルの意識です。ここから解像度が上がっていくのだろうか…。
まとめ
この手のスクールは初めてで、何かやらかしたらドヤされるのでは…とびくびくしていましたが、教室の雰囲気もいいし、何かを考えるのってめっちゃ面白いので楽しさ100%です。
仕事だとこうはいかないが…。仕事だと考えるのは楽しいが、不適切だとお客さんにドヤされるし、結果を出さないといけないから辛いのであろうか…(→だから給料が発生する)
疑問
- 演繹法・帰納法を意識して使い分けるにはどういう風になれればいいのかと、使い分けるメリット
- 自分の思考の"クセ"をなくすべきなのか?
- 自分の思考の"クセ"は瞬発力のある強みであるので、これをなくしてバランス人間になるとそれはそれでよくないのでは?
- 自分の思考の"クセ"を生かしつつ、見る時は全体を見るのが最強なのでは?
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