金融庁の老後2000万不足報告書を読んだ感想
原文はこちら。20分くらいで読めました。
金融審議会「市場ワーキング・グループ」報告書の公表について:金融庁
既に各所で感想が出ていますが、自分で読んだ感想をまとめておきます。メディアの感想は以下から。
健康寿命を延ばすことは重要
現状、男性の平均寿命は81歳、健康寿命は72歳。よって9年間は身動きの取りづらい状態になり、金融資産を取り崩しながら生きていくしかない。カネがなくなれば死。健康寿命期間なら(その時に仕事があれば)なんとか安賃金で働きながら生きていけるが…。
まぁ健康寿命が延びれば寿命も延びそうなもので、健康寿命終了~死ぬまでの期間はどうやっても存在するが、寿命をコントロールできない分、運動や食事に気を使って健康寿命を延ばす事しか努力の方法がない。
認知症の発症時期
上記の健康寿命にも関連するが、80歳~84歳の認知症発症率は男性で1/6、85歳以降は1/3となる。寿命と同じく認知症もコントロールできなさそうだが、自分が認知症になったことを考えて、免許を返納したり、金融資産の整理をしたりという仕組みを考えるのは大事。
「働けるまで働くこと」が現状確実な解決策
報告書によると、日本の60歳~65歳の思考力は、OECD諸国の45歳~49歳と同等。前述の健康寿命の件とかぶるが、なるべく健康にカネを稼げる状態を維持するのが大事。思考力はあるんだから。
定年時点の想定金融資産の把握
定年後にもらえる給与以外のお金というと
- 年金
- 退職金(サラリーマンの場合)
の2種類である。まず年金については定期的に送られてくる「ねんきん定期便」でシミュレーション可能だが、以下の記事でもっと便利な「ねんきんネット」なるものの存在を知ったので今度登録してみようと思う。
「年金2000万円不足問題」のばかばかしさ – 梅屋敷商店街のランダム・ウォーカー(インデックス投資実践記)
…と思ったら既に登録していたのでログインしてシミュレーションしてみた。どうやら65歳から年間180万円くらい貰えるようです。…ってどう考えても足りなくね?飯だけ食って生きるわけじゃないし…。現実を直視するのは大事、という話でした。
退職金であるが、私の場合は所属企業が確定拠出年金という形で退職金を運用しているため、おおよそのシミュレーションは可能になっている(余談だがこのせいでiDeCoに入れない…)。なお、報告書によると、3割の人が「退職金の給付額を受け取るまで知らなかった」2割の人が「退職して半年以内に初めて知った」らしい。こんな状態にならないように、所属企業に想定退職金を確認しておくべきである。
毎月の支出額の計算
報告書によると「平均的な夫婦だと、定年後に毎月5万円のマイナスとなる」ようだ。この計算の内訳も報告書にあるので、自分がどのような支出をするか、シミュレーションするのがいい。
まとめ
- 健康でいる事
- いつまでも働けるようにいる事
- 労働市場から需要がある事
- 将来のシミュレーションをしっかりとする事
が大事だな、と思いました。なお、この感想は私が特に労働がどちらかというと(暇つぶし、人助け的な意味で)好きであり、仕事が嫌いだ、早く仕事を辞めたい、遊んで暮らしたい、というような要望を持っていないので感じた感想であり。早期リタイヤ狙いの人はもっと違う考えだと思うので、それはそれぞれ考えてください。
報告書に「この報告書が契機の一つとなり、幅広い主体に課題認識等が共有され、各々が「自分ごと」として本テーマを精力的に議論することを期待している」と書いてあるんで、考えてみました。
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