スノーボードのフィギュアスケート化は嫌だなぁという話
オリンピック中から繰り返し言ってきたことをブログにまとめてみます。
ソチオリンピックでスロープスタイルが初めて採用され、そして盛り上がったわけだけど、スロープスタイルを初めて見る人から
- 採点の基準が分からんから、 フィギュアスケートみたいにジャンプの技ごとに基礎点をつけてほしい
という意見がありました。僕の意見は寒くなるので反対です。
「採点基準」を設けるということは、その通りに採点しなければいけない、ということです。例えば、F900のグラブでちゃんと着地したら100点、とすると、ちょっとくらい空中でバタついても、グラブが浅くても、ランディングが怪しくても採点基準の条件を満たせば100点をつけなければいけない。元々FS900得意で、クリーンで、がっつりグラブして、ランディングピタ着でも点数は変わりません。
「採点基準」を設けるということは、滑りが枠に収まっちゃう、ということです。今回金メダル取ったセージも個性的なテールダブルグラブ1620で高得点取りましたが、これは今まで大会で数回しか出したことのない技らしく。基礎点制でこの技が採点基準に定義されていなかったら、得点の出し用がないわけで、オリンピックでは見られなかったことになります。。
これはスノーボーダー的な視点なのですが、フィギュアに比べて技数が多いので、全ての技について平等に基礎点をつけるのは難しいと思います。
- スピン方向4種類
- 横回転数で4,5種類(900~1620)
- 縦回転数で3種類(シングル~トリプル)
- グラブで10種類(基本の6つ+ダブルとかローストビーフとか特殊系)
てことで、全部掛け算すると200超えちゃいます。で、これだけパターンあると全部平等に基礎点つけるのは難しくて、簡単な割に採点基準が高い技ってのが必ず出てきて、結果大会はそればっかり、って事になりそう。
個人的な意見だと、基礎点によって技に優劣が付けられるのが嫌というのと、何をやったかよりも技のクオリティを重視した採点をしてほしいので、基礎点には反対。フィギュアみたいな「出来栄え点」つまり、FS900は100点だっけど、完成度高かったら+40点して140点にする!とかならまぁ…ありかもしれないけど、結局その40点ってなんやねん採点基準分からんって事になりそうです。
フィギュアスケートをなぜ寒いと思うのか
演技を見る競技ではなく、点数を足し算する競技になっている
これ、強く思います。やれジャンプが何点だ、ステップシークエンスが何ランクだって、採点基準に沿って、規定の動きを入れていく競技になってる。芸術性が薄まって、体操系スポーツみたいになってます。本来はダンスの流れを組んで選手の美しさや強さを魅せていく競技だったのに、と思います。
フィギュアに見習いたい所
同じジャンプを2回飛ぶとどちらの得点も無効、というルールがあるのですが、これはスノーボードにも取り入れてよいと思いました。もちろんスノーボードもBSダブルコーク3連発とかやるより、いろんな種類を飛んだほうが総合点は高くなる仕組みなのですが、素人にも「いろんな種類のジャンプを飛べるこのライダーは凄いんだぞ!」と分かるように、明文化してもよいと思いました。
けど、今のスロープスタイルは採点の基準が分からない
詳しいスノーボーダーなら採点の基準がわかるか、と言うとわかりません。
けど、過去にジャッジ不正があり採点をクリーン化したフィギュアスケートは採点基準を複雑にしすぎ、結局素人には分からなくなり本末転倒。
採点競技で100%クリーンな基準を目指すこと自体が無理、と諦めてスノーボードらしい採点スタイルを続けてほしいなぁと思います。
まさか採点基準が変わるとは思ってないけど、一応ブログにしておきました。
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