他人をリスペクトするのは重要だという話

リスペクト、っつーとラッパーみたいだけど、そう実感した出来事があったので紹介。
僕のスノーボード仲間は年間50日・60日とスノーボードしてる集まりです。となると当然上手くなるのですが、その中に1人、そこまで上達してない女の子がいました。特に運動神経が悪いわけでもないのに、なんでだろうなぁ…というのが仲間内での疑問だったのですが、先日その理由に気づいちゃったのです。
それは僕らとは別の友達のチームのスノーボードDVDを見ていた時の事。そのチームはアマチュアトップレベルのメンバーが揃っており、滑りも映像編集のレベルも高い。僕自身、友達といいつつファンであり、問題の女の子も気に入ってくれるだろう、という思いで映像を見せたのですが…反応はいまいち。むしろ「BGMのチョイスが同じ」「オフショットがちょっとあざとくて好みじゃない」などと言い出す。
僕は「人によって好みの映像ってのは違うんだなぁ…」とがっかりしたのですが、よくよく考えると滑りは明らかに上手いし音楽とかオフショットは滑りとは関係ない部分なので、少なくとも「すごいね」とか「上手いね」の一言がないのはおかしい、という所までたどり着いて気づいたのです。
こいつは他人が上手いのを認めたくないんじゃないか、と。


そう考えると今までの彼女の行動も説明がつく。あんまり他人を褒めないし、とにかく人に対して「すごい!」って言いたがらない。スノーボードで技を練習するとき、ちょっとした成功でも仲間内で「すげー!」とか「かっこいい!」とか言ってテンション高める(ただでさえ、あんまり成功しないので)んですけど、彼女ってそういう雰囲気に乗ってこないんですよね。「おー、やるやん」みたいな感じ。
あと、初心者にアドバイスしたがるんですよね。最初は面倒見がいいな、って思ってたんですが、上手い自分が下手な初心者に教えるってシチュエーションがいいだけなのかも…。いや、悪い子じゃないんです。テンプレ的な「ヤな奴」ならさすがに気づいてるわけで。


スポーツでもゲームでも楽器でも、「一生かかっても追いつけないのに、なんで頑張ってるねん」みたいに思う時があるかもしれないけど、ずっとでそう思い続けちゃったらその先の成長はない。「あいつは上手い。頑張っても敵わないかもしれない。けど少しでも近づけるようにがんばろう」って、相手と自分の差を認めつつ、自分はがんばる。そこらへんが上達するには欠かせない要素だと思うのです。
とはいえ、相手との差を認める事は自分が下手だと認めることになる。そうは思いたくないので、相手が実は大して上手くないと自己暗示しちゃう。それって悪循環で、相手が上手くないから自分も上手くならなくてオッケー、とか思っちゃう。それでは成長しない。そうならないために「他人をリスペクトする」ってのは重要なんだな、と思いました。人間なのでラクしたい、自分が下手だと思いたくないからついつい他人を貶めたくなるのですが、他人をリスペクトするってのをクセづけておけば他人をdisれない。他人の位置がロックされて下に落ちてくることはないので、自分を上げるしかない。
リスペクトって言っても難しいことじゃなく、凄い人に「すげー!」って言ったり、上手いことしたら「上手!」って言えばいいんです。素直に認める、と。そうすると、自分が凄いと思う人に近づきたくなる。どの業界でも、上手い人ほど「自分はまだまだ未熟です」って言って上見てめちゃくちゃ練習しますよね。上手い人は、そこらへんを無意識で分かってるんだと思います。

### 結論
つまり彼女に足りないのは**スキルでなくメンタリティ**だった、という話でした。彼女は自分を上げるんじゃなく、他人を下げることで、他人との差を狭めようとしていたんだと思います。
他人を落とすのではなく、自分が近づくようにしないと上達はない。けど、30何年間もかかってついたクセ(しかも心の)を治すのはめちゃくちゃ大変だと思うからどうしよう…。というのが新たな懸案事項です。