ゲームの"知識レベルの天井"と面白さの話

日曜日はお友達に誘われてアナログゲーム会に参加してました。都心なのに風情のある隠れ家的なスペースで非常に良かったです。今度は是非もうちょっと涼しくなってからやりましょう!(ちょっと暑かった…)
### プレイしたゲームの話
いろいろ遊んだ中で[SPY’S](http://d.hatena.ne.jp/Games500yen/20100512/p1)を取り上げます。
#### ルール
SPY’Sは3人用ゲーム。3人それぞれがA国・B国・C国のスパイという設定で、1人が親・2人がプレイヤー。プレイヤー同士が協力すればお互い高得点が得られるが、自分の利益だけ考えて行動すると高得点は狙えない(代わりにペアのプレイヤーを凹ませることもできる)。親を1人が2回ずつプレイし6ターンでゲーム終了。ゲーム終了時に得点が高い人が勝者なんだけど、6ターン終わった時点で各プレイヤーの秘密の任務(ゲーム開始時に設定され自分以外には分からない)を満たしていれば+5点となる。6ターンで取れる得点は8点~12点くらいなので秘密の任務を満たす=勝利にぐっと近づく。
秘密の任務の内容は「自分以外の国を2位or3位にする」ことなので、自分が1位を取るだけじゃなく+5点を取るために他の国の順位をコントロールすることが必須。ここで鍵となってくるのが裏切りで、例えば自分の任務が「B国を2位にする」場合、C国が親の時はB国と協力してお互い高得点をゲット、B国が親の時はC国を裏切って3位に落とすように動く。ただしB国の秘密の任務は「A国を3位にする」ことかもしれないが…。
で、プレイして思ったのはSPY’Sみたいに**ゲームの前提知識で差がつきにくい、かつ読み合い(交渉)要素のあるゲームは好きだなぁ**ということ。SPY’Sの構成要素は親がプレイヤーに配る4種類のカードと秘密の任務カードの4種類のみ。初心者でもちょっとプレイすれば経験者と同じ土俵で"読み合い"ができる。ごきぶりポーカーとかランバージャック(木こりゲー)もこの部類のゲームかな、と。
### 知識量高・読み合い高なゲーム
一方、中には構成要素が多いゲームもあって、経験者は知識レベルが天井の状態で読み合いしてるんだけど、初心者は前提知識の段階で負けてるので読み合いに参加する前に勝負にならない。ここに分類されるのはカタンとかディプロマシーとか、いわゆる重いゲーム。
こういったゲームは自分でやるのはともかく人にも勧めづらい。というのは1回やったくらいじゃ全部の要素を把握できないし、大抵1プレイに時間がかかるので読み合いレベルに行く前に時間が過ぎてしまうから。やりこめば面白い、というのは分かるのですが。
### 知識量低・読み合い低なゲーム
例えばノイなんかは気軽にサクっとできるゲームの代表かなと思います。サクっと出来る分奥行きは狭い。毒にも薬にもならないって感じで、嫌いじゃないけどやりこむようなゲームじゃないかなぁと。
### 知識量高・読み合い低なゲーム
知識量が求められるけど天井があって読み合い要素がないゲームって**全員の知識が高くなった時点で詰んじゃうんじゃないかな?と思います。**例えば今回"おじゃまもの"ってゲームをやったのですが、仮に参加者全員がカードの種類とその枚数・出現確率を完璧に把握してるとすると、「確率的には直進カードを誰かが持ってるはずだから、直進カード持ってなきゃパスしろ。変なカードを出したらおじゃまもの」と、場を完全にコントロールされてしまいブラフを張れなくなる。
構成要素が多い=武器が多いってことなので、ゲームが完全に理解されてしまった時は詰みやすいなぁと思います。
### 今話題のドミニオン
について考えてみると、**知識レベルの天井ってあるのかな?**と。単体で強いカードは知られているけどサプライの組み合わせは無限大なので、前提知識でカバーしきれずセンスや経験で決まる気がします。ドミニオンって読み合いの要素が少ないゲームだと思うんですが、**知識レベルの上限を取っ払うことで詰み状態を回避**できてるんじゃないかなぁと。ただ強いカードが礼拝堂だけでやることが決まっている場だと、全員の知識レベルが統一されるので"つまらないサプライ"となったりしますが。
### 人狼について
人狼は元々はシンプルなルールで知識量低・読み合い高なゲームだと思うのですが…。占い師騙りとか同時COとかいろんな戦略が生み出されてしまったので経験者とプレイする時はある程度知識量が必要になってきちゃうかな、と。ただ人狼は**知識量高な人を処刑して知識量低な場にすることが可能**なので、その点で他のゲームと全然違うので好きです。
### まとめ
まとめると「知識量低・読み合い高なゲーム」が比較的に好きですってことです。「知識量高・読み合い高なゲーム」でもいいけど、同じ読み合いするなら前提知識とかなくてもいいんじゃね?と思ったり。どこかのブログで操作が複雑化する格闘ゲームを揶揄して「昔は普通に将棋を指してたのが、駒の重さが500kgになって巨大ロボットの操作スキルがないと駒を動かせない」と例えていたけどまさにそんな感じ。対人戦楽しむのにまず連続技を練習してからってのは面倒でしょ。
### ところで
アナログゲーム会に参加するたびに楽しくなってるのは、毎回楽しい場を用意してくれる幹事さんが**やーすば!**なのはもちろんだけど、自分がプレイしたことのあるゲームが増えてきたからかなぁと。未プレイのゲームばっかりの時はルール覚えて次は戦略…と思ったら新しいゲームにチェンジとかで落ち着いてできなかったけど、知ってるゲームが増えてくると前に出来なかった戦略を試す楽しみが出てくるし、初めてのゲームは新鮮な気持ちでプレイできる。なんか好循環。