「ジャンプで衝突は「予測外」 スノボ男性に無罪判決」について

不幸な事故だけど妥当な判決だと思います。
[asahi.com(朝日新聞社):ジャンプで衝突は「予測外」 スノボ男性に無罪判決 – 社会](http://www.asahi.com/national/update/0512/OSK201005120156.html “asahi.com(朝日新聞社):ジャンプで衝突は「予測外」 スノボ男性に無罪判決 – 社会")

 スキー場でスノーボードでジャンプした際、着地点にいた女児(当時9)に衝突して重傷を負わせたとして、重過失傷害罪に問われた会社員の男性(24)=香川県観音寺市=に対する判決が12日、松山地裁であった。村越一浩裁判長は「滑走開始時点における一応の注意義務は果たしており、重過失は認められない」などとして無罪(求刑禁固10カ月)を言い渡した。
 判決によると、男性は2006年2月、愛媛県久万高原町の美川スキー場に設置されたジャンプ台(幅2.5メートル、高さ0.7メートル)で宙返りジャンプをした際、着地点付近で倒れていた女児に衝突。女児は四肢に運動障害が残る脊椎(せきつい)損傷の重傷を負った。
 判決は、男性にジャンプ台下方に人がいないか注意を払う義務があったと認めたうえで、男性の前にいたスノーボーダーらがあまり間隔をあけずに次々にジャンプし、男性の直前に飛んだスノーボーダーが着地後にジャンプを止めるような合図を出していないことを男性は確認しており、「男性がジャンプをしても問題ないと判断しても無理からぬ面もある」と指摘した。
 さらに、事故が起きたのは、前のスノーボーダーのジャンプ後に、女児が転倒してジャンプ台の下で止まったという「予測外の事態」の発生が原因とした。

キッカー(ジャンプ台)というのは構造上スタート位置から着地が見えないくなっている。よってスタート前に前の人が転ばなかったか・横から入ってくる人がいないか確認してから飛ぶというのが"常識"となっている。今回の場合、
1. 間隔を空けず次々と飛んでいた
2. 前のスノーボーダーのジャンブ後に女児が転んでジャンプ台の下で止まった
のがポイントで、裁判官の言うとおり**間隔を空けずに次々とジャンプしているキッカーの下を滑走コースに選び、そこで転ぶということ自体がレアケース**であり、他人の助けなしには女児の存在を確認するのは難しい。ただずっとキッカー周りを注視していれば確認できたんじゃないか…とは思うけど、それはパークのレイアウトに問題があったか、天気が悪くてよく見えなかったのかもしれない。
### 本来どうあれば良かったのか?
被告がジャンプする前に周りの人が×印を出したり大声で「止まれ!」と叫ぶ。これはどのゲレンデでも行われていることであり、パークに入る人間なら真似しなければいけないことだと思う。美川スキー場というのがどういう所かは知らないが、たまたま周りに人がいなかったのかもしれないし、人がいたけど女児が確認できなかった、あるいは傍観してしまったのかもしれない。
### ゲレンデ側の責任について
キッカーの着地点は危ないから入ってはいけない、…というのを普通は知らないので、着地点に入れないようにロープを張るとかパーク全体をゲレンデから隔離してロープを張るとか、そういう配慮をお願いしたい。そうすれば仮に事故が起こったとしても"ロープをくぐった方が悪い"となり裁判沙汰になることもない。
本当ならゲレンデ側がキッカー周りに監視員置くのがいいんだけど、慢性的資金不足のスキー場でそんなことが出来る訳はなく、セルフジャッジに頼っているのが現状である。パーク入る人間はその辺が分かってるので注意不足で怪我しても自己責任、アイテムの整備状況を見極めて入るかどうか自分で判断する。そんな自己責任エリアに普通に遊びに来ている人が迷い込んでるのが不幸な話で、危険エリアに入らないように管理してもらいたい。
※ 判例がまだネットに出てないのでロープで仕切ってなかったとかパークのレイアウトがどうとかって話は憶測です。全部ゲレンデ側がちゃんとしてたけど女児が入り込んじゃったのかもしれないし。