「金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか」読了。
金融広告を読め どれが当たりで、どれがハズレか (光文社新書)
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吉本 佳生
光文社
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読むのに3日かかりました。。さすがに500ページは分厚いです。
■概要
本書は今流行の投資信託から円定期、外貨預金、保険商品、国債といろんな種類の金融商品とその罠を紹介したほんです。つーか罠の紹介が中心でした。以下読書メモ。
- 年率表示トリック:年率12%の1ヶ月もの→実質1%
- 倍率表示トリック:0.01%の50倍でも0.5%
- 抱き合わせ商品縛り:ちょっと利率のマシな円定期と手数料の高い投資信託と組み合わせる。
- 外貨預金縛り:ちょっと利率のよい外貨預金は円→外貨変換を行ったもののみ有効(手数料かかる)
★金融の世界ではセットだから割高!これ常識!
- 名目金利と実質金利の話。○年縛りのかかった定期預金はインフレリスクに耐えられない
- 「当行の判断で満期日を延長」とか危険!
- デフレ環境下では普通預金が優れた金融商品だったりする。
- 銀行の外貨預金はシステム的な問題で手数料がかなり割高→ネット銀の外貨預金なら手数料問題はクリアされる。
- 個人向け国債:変動金利性でインフレに強い長期運用型商品。流動性が低いのが欠点。
- 年金保険:保険は保険で契約して浮いたお金で運用したほうがマシ(セットは高い法則)
★EB債には気をつけろ
- "特約付き"は金融機関にメリットのある特約があるということ:オプション取引のリスクを客が被る形になる。
- 用語
- ボラティリティ:利率の標準偏差
- ETF:株価指数連動型上場投資信託。普通に証券取引所で買える
- 外貨MMF:外国債権etc格付けの高い外貨商品で構成される投資信託
■感想
- ローリスクでハイリターンな商品はない
- セットになればなるほど手数料はかかる
- "特典"は疑え
という所でしょうか。全体的に説明がくどい部分もあるが、裏を返せば丁寧といえる。ただ2005年の本だけあって話題が古いところもあり。例えばFX(外国為替証拠金取引)。本書では大手でFXを扱っている所は少ないと書いてあるが今となってはFXブームで大手ネット証券ならほとんど取り扱いがある。とはいえ、金融商品不滅の定理「美味しそうな商品には裏がある」を実感するには有用な本だと思います。ページ数が多い分内容も濃く面白かったです。久しぶりにがっつり知識を吸収した感のある本でした。
■余談
この本の前に「お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践」も読みました。これは「金融広告を読め」と似たようなスタンスですが、より投資を促すような内容になってます。具体的には
- 普通預金絶対ダメ
- 普通預金するくらいなら国債
- 投資信託(インデックス型)はお勧め
- けど株はやめとけ
と「金融広告」と比べるとポジティブな論調(「金融広告」はダメ出しばっかりなので…)。図にすると
/ | 銀行に預けるな | 金融広告 |
---|---|---|
普通預金 | × | △ |
外貨預金 | ○ | ○ |
個人向け国債 | ◎ | ○ |
投信(インデックス) | ◎ | △ |
投信(アクティブ) | △ | × |
株 | × | ○ |
って感じかな。
「お金は銀行に預けるな」を読んで「よーしパパ投資信託しちゃうぞー」と思ってるところで「金融広告を読め」に冷や水を浴びせられるくらいでちょうどバランスが取れるのかもしれません。
お金は銀行に預けるな 金融リテラシーの基本と実践 (光文社新書)
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勝間 和代
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