渡辺 俊介「アンダースロー論」読書感想

タイトル通り、千葉ロッテマリーンズの渡辺 俊介選手本人名義の著作。それに惹かれて読んでみました。文章はまぁ普通というか、洗練されたようなレトリックがあるわけじゃないけれど、現役一流野球選手の生の声がこれほどの文量で書かれていると、リアルさに自然に引き込まれます。読みやすい。

「アンダースロー論」とあるけど、大半は野球技術以外の出来事や本人の過ごした日々の振り返りになってるので、渡辺俊介を知っている人なら誰でも楽しんで読めるんじゃないかな。ただ、「大学までは目立たなかった俺でも一流選手になれたから、今のキミにも可能性がある!がんばれ!」って感じじゃなく「俺はこうやってがんばったから、もし良かったら参考にしてね」くらいなので、啓蒙目的で読むのは違うかな。逆に著者の事を参考にしたい現役アンダースロー球児に取っては必携の本だと思います。

俺はロッテファンじゃないけれど、「今日が野球人生最後の日かもしれない」と思って投げ続けたファーム時代の事や、一時期真剣に野球を辞めた後のの就職先を探した事、今でも試合の3日前は部屋に篭って集中する事などプロ野球選手の現実を読んで、月並みだけど「やっぱりプロ野球選手って大変なんだなぁ」と思ったのでした。

渡辺俊介公式サイト
wikipedia 渡辺俊介

アンダースロー論
アンダースロー論

posted with amazlet on 06.09.18
渡辺 俊介
光文社 (2006/09/15)